稽留流産後に胎盤ポリープと診断され、先日自然排出されました。
今回はこれまでの事をまとめてみようと思います。
流産から胎盤ポリープ自然排出までの経過
6/11 8wで稽留流産の診断
6/16 流産手術
7/15 大学病院に転院
※漢方薬処方→8/30まで服用
8/30 胎盤ポリープからの大量出血で救急搬送→入院となる(9/1退院)
9/ 5 胎盤ポリープから2度目の大量出血→入院となる(9/8退院)
10/11 自然排出
簡単にまとめるとこんな感じです。
最初の異変
流産の手術後の経過観察の診察の時に、
『赤ちゃんの組織が残っていて、出てこないと胎盤ポリープという状態になる可能性がある』
とクリニックのお医者様に言われました。
その時は入院するほど大変な事になるなんて思ってもいませんでした。
なんせごくごく少量の出血が続いている以外は症状なんてありません。
本来ならばその時の診察で終わるはずが、次の週もその次の週も受診する事になりました。
そして時が経つにつれて、残された組織がどんどん増殖していく事になりました。
1週間、2週間と経ちましたが、残された組織は排出される事なく『胎盤ポリープ』という状態が確定していく事になります。
血液検査を受けると、赤ちゃんはもういないはずなのに妊娠状態を示すHCGの値が高い事が分かりました。
胎盤ポリープの所見のひとつです。
流産後初めて血液検査を受けたのは手術から3週間後。
2998.0mIU/mLありました。
私の場合はこの先これ以上上がる事はなかったのですが、上がっていくと違う病気の可能性があったり、手術をする1択になると後々主治医の先生はおっしゃっていました。
5㎝大の胎盤ポリープ
胎盤ポリープが形成されてしまっては、クリニックではリスクが大きすぎて対応できないと言われました。
緊急時に対応できる大きい病院に転院してもらうと言われましたが、私は内心
(いやいや、大げさでしょ。いざとなった時に行けばいいんじゃないの?)
くらいに思っていました。後から思えばとんでもないですね。
いきなり大出血する可能性がある状態で、救急のないクリニックで見続けてもらうなんてリスクが高すぎます。
クリニックの先生の判断が間違いないです。
その後大学病院に転院する事になり、主治医の先生の話では完成形(?)の私の胎盤ポリープは直径5㎝くらいあり、これはかなり大きい部類。
なかなか稀な大きさらしいです。
しかも中にはドクンドクン血が流れている状態。
大学病院の先生がなかなか見ないくらいの巨大胎盤ポリープだったそうです。
流産手術から2か月半後に大量出血
私の場合、流産後の手術を受けて2か月半はすごく少量の出血は続いていましたが、何事もなく過ごしていました。
腹痛も何もなく、身体はいたって元気。
『生理の比じゃないくらいの出血が突然起こる可能性がある』
『大量出血して輸血が必要な状態になるかも』
『血が止まらなければ最悪の場合は子宮を全摘する事になるかも』
色んな言葉で主治医の先生はこれから起こるかもしれない事を伝えてくれましたが、頭では分かっていても自分の身に起こるなんて事は思えない。
体調的には何もない訳で、理解はできても実感が湧かないというか、イメージが出来ませんでした。
流産手術から2か月半の間、HCGは少しずつ下がっていましたがポリープの大きさは全く変わらず、血流も少なくなる事はなく過ぎていきました。
ですがある日突然の大出血を起こします。
1週間の間に2回の大量出血を起こし、2回とも入院しました。
出血は良い傾向なのか?
大量出血を起こしましたが、本当にさいわいな事に血が止まってくれて手術はせずに済みました。
結果だけ見れば輸血の必要もなく、入院する必要もなかったかなと思うのですが、その時には止まるか止まらないかは分かりません。
救急を担当してくれた先生も
『胎盤ポリープの患者さんが大量出血を起こすと、一度は止まったとしてもまたすぐ出血するかも分からない状態。そんな状態で家に帰ってもらう訳にはいかない。』
と仰っていました。
結果は後からでしか分からないので、入院する事になっても病院に行く必要はあります。
出血が止まってくれたからこそ言える事なんですが、2回の大量出血を起こしてから、一気に状況が好転しました。
まず、HCGが短期間の間に一気に下がり、胎盤ポリープ自体のの大きさも徐々に小さくなっていきました。
自然排出
そして最初の大量出血を起こしてから約1か月半後、胎盤ポリープ本体が自然排出されました。
自然排出の時も出血量は結構多かったです。
『ポリープもかなり小さくなっているから、塊が出てきても止まらない程の出血にはならないと思う』
と先生に言われていたので様子をみましたが、本当に出血が止まるかどうか少し心配になるくらいでした。
排出された時のドバーっとした出血が治まった後、多めの生理くらいの出血が2日間続きました。
その後少量の出血が続き、それも1週間ほどで止まりました。
その後診察も受け、主治医の先生からも
『子宮の中、キレイになりましたよ。』
とお墨付きをもらい、無事に完治となりました。
流産手術から約4か月後の事でした。
治療方針について
大学病院に初めて受診した時、治療方針について選択を迫られました。
選択肢1:手術を受ける
子宮鏡下手術
胎盤ポリープの手術には、直接ポリープを取りにいく手術もあるみたいですが、私の場合はそれはできないと言われました。
なぜなら胎盤ポリープが大きすぎて、さらに血流がものすごく豊富だったからです。
その状態でポリープを剥がそうとすると、輸血しても間に合わないくらいの出血になる可能性が高いそうです。
大きさがもっと小さくて、血流も少ない場合は直接取ってしまうという選択肢もあったのかもしれません。
子宮動脈塞栓術(UAE)
子宮に繋がる血管を遮断して子宮の血流を塞ぎ、胎盤ポリープを栄養出来なくしていまう方法です。
私に選択肢として挙げられたのはこの方法でした。
メリット
胎盤ポリープを早く治す事ができる。
デメリット
今後の妊娠に影響が出るかもしれない。
子宮の血流を悪くする訳ですから、子宮のダメージは少なからずあるとの事でした。
この手術を受けた後でも妊娠できた人は数多くいますが、自分がそちら側になれるかどうかは分かりません。
ですが手術によって治り自体を早める事はできます。
選択肢2:自然排出を待つ
メリット
子宮へのダメージがなく、今後の妊娠には影響しない。
デメリット
いつ大出血が起こるか分からないし、いつ治るかも分からない。
手術する場合よりも完治までにはかなり時間がかかる
大出血を起こして血が止まらない場合は結局手術になる可能性もある。
主治医の先生からは、今後も妊娠を希望するなら、いつかは自然に出てくんだから待つのが一番良いとはっきり言われました。
ただ、いつ大出血を起こすか分からない状態で待つしかないので、精神的にはしんどいよとも言われました。
絶対に大出血は起こすのかというと、それは分かりません。
ただ、ここまで大きくなった胎盤ポリープが自然に失くなってしまうという可能性はほとんどない。
排出される時は胎盤ポリープが剥がれるから、その時に必ず出血はする。
出血が大量になるかはその時にならないと分からない。
デメリットの数自体は自然排出を待つ方が多いんじゃないかなあ、と個人的には思いました。
けど、今後妊娠したいし子宮にダメージは残したくないし、後悔したくない。
これまで8年間妊娠しなかった上に、手術をする事でさらに妊娠しにくくなってしまうのはイヤでした。
主治医の先生の意見、夫の意見も聞いて、結果的に私は選択肢2を選びました。
私に示された選択肢は2つでしたが、病状や病院によっては他の選択肢もあるかと思います。
胎盤ポリープを体験した方のブログで、『抗がん剤治療を受けた』と書いている方がチラホラおられたのですが、私の場合は何も説明されませんでしたしね。
それぞれにメリットとデメリットがあるし、病院によって元々の方針の違いがあるのかもしれませんね。
大量出血の予兆
私の経験した大量出血は2回、プラス最後に胎盤ポリープが排出された時の1回。
後から思えば全て予兆がありました。
大量に出血する数時間~半日ほど前から、鮮血があった事です。
出血はおりものシートに付着するくらいの量も含めると、流産後からほとんど毎日と言って良い程ありました。
1回目の大量出血の時は、1週間程前から少し茶色い出血が増えてきて、当日には鮮血が出てきていました。
2回目は1回目の6日後だったのですが、減少傾向で茶色だった出血が当日朝から鮮血が出ていました。
胎盤ポリープが排出された日も、茶色だった出血が前日の夜から鮮血になっていました。
鮮血が予兆だったんだろうなと思います。
もちろん人によって違うでしょうし、予兆がない事もあるんでしょうけど、茶色だった出血が鮮血になった時は注意しておく方がいいかもしれません。
漢方薬について
胎盤ポリープで自然排出を待つ場合、本当に待つしかありません。
特効薬がある訳でもないし、病院に行くのは経過を見せに行くだけ。
入院しても結局何もする事もしてもらう事もありませんでした。
そんな中、身体の為に出来る事をしてあげたくて漢方薬を処方してもらいました。
自分から先生に提案して、それを出してもらったって感じです。
出してもらった薬は2種類。
桂枝茯苓丸
きゅう帰調血飲
詳しい体験談がお知りになりたい方はこちらの記事をご覧下さい。
『これが効いた!』
と断言できる訳ではないですが、結果的に時間がかかっても自然排出されて、命にかかわるような事態にもなっていないので役に立ってくれたのだと思います。
何より身体の為に出来る事があるという事が心の支えにもなってくれました。
メンタルのお話
私にとって今回が初めての妊娠でした。
妊娠が判ってからずっと信じられない気持ちで、ようやく素直に喜べるようになってきたところでの流産でした。
稽留流産から次は胎盤ポリープなんて珍しい事になって、いつ大出血するか分からない中で生活を送るしかなくて、はっきり言って辛い日々でした。
(流産手術じゃなくて自然に赤ちゃんが出てくるのを待った方が良かったのかな)
(手術を担当した先生が違ったらこんな事にならなかったのかな)
とか色んなモヤモヤが何度も襲ってきました。
それでも手術はしたくなかったし、次の妊娠をあきらめたくはなかった。
乗り越える事ができた今、自分の選択を誉めてあげたいと思います。
そして、支えてくれた夫や両親に感謝したいです。
冗談な話ですが、私は今でも夫のあきらめの悪さが今回の事態を起こしたと思っています(笑)
きっとお腹の赤ちゃんをあきらめたくなくて、夫の執念が私の中に残ったのだと思います。
そして頑張ってくれた赤ちゃん。
亡くなった後も掻き出されたくなくて私の中に残していったのかな。
あきらめの悪さが夫に似たのかな。
私の身体はこの初めて授かった子がいなくなってからもHCGが高い妊婦状態でした。
長めに妊婦体験できましたね。
少しの間でしたが、私をお母さんにしてくれてありがとう。
とっても貴重な体験をしました。
この子の事を忘れる事はありません。
私の中に残してくれたものを糧に、また次の妊娠に向けて歩き出そうと思います。